
【賃貸テナントからの相談】
私は、カラオケ店やまんが喫茶など多店舗を展開する会社の代表をしています。
現在、東京都目黒区にある駅前の商業ビルの一部を借り、まんが喫茶を経営しています。このビルは昭和39年に建築されたもので、築50年以上が経過しており、新耐震基準を満たしていません。
当社は、平成17年以降、更新契約を重ねながら、このビルの複数の区画を借りてきました。現在の合計賃料は月額約124万円で、まんが喫茶の店舗として営業を続けています。
ところが、ビルの管理会社(転貸人)から、「建物の老朽化と耐震性不足」を理由に、解約の申入れを受けました。管理会社によれば、ビルを取り壊して、ディベロッパーとの等価交換方式で新たなマンションを建築する計画があるとのことです。
管理会社側は、立退料として約1億円(賃料約60か月分に相当する金額に補償料・保証金返還を加算した額)を提示しています。
当社は、このビルの近隣に本店も構えており、この地域は当社グループの発祥の地でもあります。
提示された金額で退去しなければならないのでしょうか。それとも、もっと高い金額を求めることはできるのでしょうか。
立退料の相場がわかりません。
老朽化・建替えの場合に立退きが認められる要件
本件のような建物賃貸借契約の解約申入れが認められるかどうかは、借地借家法第28条が定める「正当の事由」の有無によって判断されます。
すなわち、借地借家法上、賃貸人が解約の申入れをするには、単に建物が古くなったというだけでは足りず、「正当の事由」が必要とされています。この正当事由の有無は、以下の4つの要素を総合的に考慮して判断されます。
【4つの要素】
1.建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情(双方の必要性)
2.建物の賃貸借に関する従前の経過
3.建物の利用状況及び建物の現況
4.建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃貸人が財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出(いわゆる立退料の提供)
4つの要素のうち、特に重視されるのは、「1.建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情(双方の必要性)」と「4.建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃貸人が財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出(いわゆる立退料の提供)」です。
